Gメン75は他の刑事ドラマと何が違うのか?

Gメン75は単なる刑事ドラマとは違う。
何が決定的に違うというと、Gメンは警視庁から独立した組織だということである。

そもそも「Gメン」とは?
wikiなどで調べてみると、元はFBIの通称から派生し、警察官ではない特別司法警察職員・民間の警備員。麻薬Gメン、公害Gメン、万引きGメンなどを一般的に指している。

「Gメン75」は元々の設定は潜入捜査官であり、Gメン結成のきっかけは日本に上陸したコーザ・ノストラとの対決が目的である。それが第一話にさらっと語られていた。

普通に見ていればわかりにくい設定であるが、第2話も関屋が囚人として留置所に潜入しているが、3話・4話では潜入捜査をする場面はなく、通常の刑事ドラマと大きな違いはない。
飽くまで独立した組織であるから、どの管轄にも属さないという形式だけが差別化された特徴である。

当初19話で終了予定であったことは以前にも述べたが、短期作品だったからこそ、余計に設定が綿密に練られなかったのであろうか。
ただ潜入捜査にだけこだわっていたら、ストーリーの幅も狭くなり、後の黒谷町シリーズは成立していないはずである。

そもそも、ボスの黒木警視の前歴が第一話で語られていない。
ただ単に「黒木警視」としか紹介されておらず、警視庁の何課の役職であったのか、全くわからない。

関屋や津坂は捜査一課であるし、草野は現暴対課の四課、オッサンはスリ・万引き専門の三課、紅一点の響は外事課。
wikiでは黒木は警視庁のエリートとしか紹介されていないのである。
黒木はノンキャリアであり、かつては函館西署で勤務していた(185話 津軽海峡を渡る片足の男 186話 青函連絡船の殺し屋より)。よって“エリート”というには違和感はある。

現実に即したキャリア・ノンキャリアの出世年齢を忠実にドラマに反映させることは難しい。
調べてみるとわかるのだが、キャリアは異様に出世が早いし、ノンキャリアは逆に大きく後れを取る。
立花警部はノンキャリアであることが想像されるが、彼の能力・頭脳からいけばキャリアの雰囲気だ。
そのバランスが難しいのである。

さて、コーザ・ノストラ対策で潜入捜査官として結成されたGメンだが、マフィアの登場回数も潜入捜査官としてのシーンも決して多くない。
特にマフィアの登場は殆どないといってもいい。
マフィアを前面に押し出すのならば、外国人俳優ゲストを出すのが自然だが、国際色が豊かな設定のはずのGメンは何故か外国人俳優ゲスト率が前作のキイハンターやアイフル・バーディーなどと比べて低いのだ。

3話の「警官殺し!」4話の「殺し屋刑事」でGメンの世界観がほぼ確定した。
それはキイハンターなどの国際犯罪というスケールではなく、警察内部での不正を暴く等、「内部監査官」的な立ち位置になっていったのだ。

特に76年は警察内部の不正を暴くスタイルが根強く確立し、77年からは香港カラテシリーズも加わって従来の国際犯罪や組織犯罪対策というテーマも再び蘇り、幅が広がった。

私個人的には、何度も語るが倉田保昭の使い方が「警察の中の警察」という地味なスタイルでは彼のポテンシャルが発揮できなかったことが惜しまれるのだ。

従来のマフィアとの対決路線、そして潜入捜査というテーマなら、倉田のアクションスキルを活かすことが出来たのではないかと思っている。
例えば、私のアップした「バーディー大作戦」にいただいたコメントの中で、バーディー大作戦でボクシングの八百長問題を扱った話があったそうである。

これこそがGメンになかったテーマであり、倉田が選手として潜入捜査し、反社会組織が絡む八百長の闇を暴くという話がアクションシーンも含めて想像できる。これは決して香港シリーズのような荒唐無稽なアクションではなく、本格的な格闘技アクションも披露できる。
ただし、ボクシングと空手は違うから、どこまでボクサーとして潜入できるかは課題であるが、別にテーマは空手により近いキックボクシングでもいいのだから、そこはどうにかできるだろう。

よく囁かれていた暴力団の賭博の資金源になっていた「地下プロレス」でもいい。
そういう暴力団やマフィアのような犯罪組織に潜入し、格闘アクションをさく裂させるストーリーがもっとほしかった。8話の「裸の町」をもっとアクション特化させたスタイルである。

そこは暴力団担当だった前歴設定も生かせるし、ヤクザ相手に爽快な空手アクションは人気爆発必須だったろう。

Gメンの設定はスタートからして実は地盤は固まってなく、すぐに軸がぶれて路線が変わっていったが、ただ一貫していたのはシリアスで笑いを省き、刑事の私生活は極力描かれず、飽くまで事件捜査中心のシーンで話を固めていたことだ。

この作風だけは81年4月まではほぼ貫いていたのだ。それがGメン75の他の刑事ドラマとの決定的な違いであろう。

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