佐藤純彌氏、亡くなる

映画監督の佐藤純彌氏が亡くなった。https://news.yahoo.co.jp/pickup/6314167
私はこのブログで数回、Gメン75の記事を書いている関係で、存命の関係者がどれくらいいるか、気になっていた。
プロデューサーの近藤照男氏、深作欣二氏、監督の鷹森立一氏、脚本の高久進氏、池田雄一氏も物故している。

佐藤氏はGメン75のエンディングテーマである「面影」「追想」の作詞もしており、Gメン75制作の中心人物であった。
80も後半になっておられていたのでまだ健在なのか、と安心していた矢先の訃報である。

昭和の名作を創ってきた制作のプロたちが平成が終わろうとしている今、どんどんいなくなってしまっている。
一時代を築いた名作からは今の時代も学ぶところが多いと思う。

シリアスな緊迫感を持ったドラマが今の日本には圧倒的にない。
それは以前にも記事で述べたが、そういった類の作品を数多く手掛けてきた佐藤氏の死去は日本のドラマ、映画界にとっても大きな損失である。

私は平成の次の新時代に新たなる刑事ドラマのヒット作に期待している。
今更刑事ドラマかよ?と思うかもしれないが、刑事ドラマは俳優も育てる。
それだけ演技力、緊張感が養われる分野なのだ。

手抜きが出来ないシリアスタッチのハードな刑事ドラマなら尚更だ。
恋愛至上主義が終わり、高齢化社会が加速する。

決して浮ついた時代じゃないのだ。そんな厳しい時代背景こそ、ハードタッチなドラマが受ける。
半沢直樹が受けたのもその一環だろう。

ハードなパワハラ上司の問題が数々の自殺などを引き起こす社会問題となり、大衆は恋愛ドラマを楽しむ余裕はなくなった。
ヒットした半沢直樹だが、問題は演じる俳優の質だ。

北大路欣也の力を借りなければ頭取をあれだけの重厚感で描くことは出来なかったのだ。
50代の俳優であの雰囲気を出せる人はいない。

トレンディドラマばかりやって役者が育っていなかった状況。
まだ香川照之みたいな存在がいて救われた。

この年代だと江口洋介も渋いいい味を出しているが、あのチャラさからよくぞダンディーな渋さの歳の取り方をしたものだと、天晴である。

私は吉川晃司もそうだが、「老けることを肯定的に表現する」というスタイルがこれからますます認められる時代になると思う。
無理に金髪・茶髪にして若作りする時代は終わったし、痛いだけだ。

ゴルゴ13はまだ30代前半だという事実が、如何に昭和時代の男達は渋かったかわかる。
その男の魅力の原点に立ち戻ったのだ。
チャラチャラした若者がカッコいいという価値観は平成の終わりとともに消えよう。

これからはハードボイルドの男達が輝く時代であってほしい。
そう願って、佐藤氏の冥福をお祈りしよう。

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