Gメン75は当初半年で終了予定だった!

Gメン75

先月、youtube動画「Gメン75同窓会」をアップした。
これは22年前にVHSで録画したものだ。
正直、こういった再放送もされないまま、半永久的に誰の目にも触れない番組は無数にあるだろう。

特にGメンは特集が少ない。
あの7人並んで歩いてくるタイトルバックはインパクトが絶大で今でも多くの人があのパロディーを演じるほどである。

私はGメンは本格的に毎週観始めたのは昭和55年からだ。
それまでは香港シリーズとかごく一部をたまに親が許可してくれてたので見れたが、昭和の時代は基本「9時は子供が寝る時間」だったのだ。

今みたいに子供が深夜まで起きているなんてまずなかった。
それと昭和のドラマは「若者向け」というジャンルというよりも「大人向け」「子供向け」という形で区切られていた。

だから大人向けのドラマはお色気シーンもあり、子供がいるとかなり気まずかった。
そういう意味もあって子供は無理矢理寝させられたのだろう。

Gメン75は基本的には「大人向け」のドラマではある。
だが、子供に絶大な人気があった。
まずOPバックのインパクト。子供が「ごっこ遊び」をするのに適し過ぎているのだ。

もう一つは香港カラテシリーズ。
倉田保昭が香港ロケで地元のアクションスターと繰り広げる決闘劇に子供は熱狂した。

つまり、「大人版戦隊シリーズ」みたいな感覚になっていたのである。

そして放送時間も、あのお化け番組「8時だヨ!全員集合」の直後だったから、余計子供が引き続き見ているという環境だった。

私も「ババンババンバンバン♪また来週~♪」の後の衝撃的なOPで何度も「Gメンの世界」に引きずり込まれた。
これは子供は見たくなるってものである。

ドラマは内容もさることながら、演出効果も大きな影響がある。
刑事ドラマの中でも最も強烈なインパクトのあるOPだと思う。

さて、そんなGメン75だが、当初は半年で終了する予定だったとか。
前番組の「バーディー大作戦」が思うような視聴率を取れずに終了してしまい、その穴埋めとして急きょ誕生したというのだから、運命とはわからないものだ。

確かに「75(年)」というタイトルがそれを物語っている。
「じゃあ76年になったら『Gメン76』になるのか?」と当時の人たちは皆話題にしていたそうだ。

前の日記でも書いたが、昭和時代のドラマは視聴率が高いと当初の予定を延長して延々と続く傾向があった。短くても大抵2クールはやっており、1クールで終わるのは余程酷い視聴率である番組だけだったんだろう。

私がyoutubeにアップした動画は1997年に制作されたものである。
Gメン75開始から22年。そしてその97年から今年も同じく22年の歳月が流れた。

ボスである黒木警視役の丹波哲郎、そして小田切警視役の夏木陽介、人情派の山田八兵衛刑事役の藤木悠氏のお三方はもうこの世を去っている。

丹波哲郎は当時74歳。まさにギリギリのタイミングで同窓会を企画したのだ。
丹波が死去したのは2006年だからこの後10年近く生きているし、2000年にはGメン75をリメイクした作品が作られ、そこでも黒木“警視総監”として出演している。

黒木はノンキャリアのはずだから、警視総監になれることはまずないそうだし、第一年齢的にも時系列で無理があり過ぎる。そこは創作とはいえ、漫画ではなくある程度のリアリティが求められる作品だから、ちょっとこの設定には違和感がある。

まぁリメイク版についてはまた改めて語ろう。

Gメン75の他の刑事ドラマとは違う魅力を挙げてみると、Gメンのメンバーの私生活が全然描かれていない。そしてメンバーが殉職しても、次の回となると全く殉職した人間について語らない徹底したクールぶりである。他の刑事ドラマにはまずありえない世界観である。

笑いの要素もほぼカットされている。最初期こそ、コメディータッチの雰囲気が残っていたが。
私はむしろそれに驚いた。
山田刑事が「オッサン」という仇名をつけられていたりとか、前作「キイハンター」から「バーディー大作戦」までの東映アクションシリーズで続いていた軽妙なタッチをまだ引き継いでいたのである。

私個人としては笑いの要素を抑えたことは大成功だったと思う。
ゴルゴ13などとも共通しているが、余計な笑いは必要ないストイックな作品は無駄がなく男としては魅力的に感じる。

Gメン同窓会を見てみて思うのは、メンバーを75年当時と97年時とで比べてみると、確かにバラエティ番組だから表情が崩れているのはあるが75年当時は恐ろしくハードな表情で、しびれるぐらいカッコいい。

眉間に皺を寄せている男達の勇姿は、80年代ともなると「怖い」「暗い」と敬遠されるようになっていた。Gメンの作風も76年から79年初期辺りまでは徹底して笑いを除去したハードでドライなタッチだったが、79年の大幅なメンバー入れ替えと同時に軽いタッチに切り替えられ、若者向けにシフトしていった感があった。

それが結局、番組終了への伏線となっていったと思う。
Gメンのあの独特の雰囲気は、オイルショックやベトナム戦争終結、過激派が乱立していたという不安定な時代が生んだものであるとは思うが、急速に変化した時代の変化に敢えて飲まれず、堂々とあのスタイルのままで勝負してほしかった。

特捜最前線がGメン終了後も5年間も続いたのはそういうところにあったと思う。

今のドラマ界に求められるのはGメン75の世界だ。

平成に入り、男は茶髪になり、軟弱になった。
狼みたいな鋭い目でホシ(犯人)を追うストイックな刑事ドラマは、半沢直樹の大成功が物語るように今またあの70年代のような「ギラギラした戦う戦士」が男の魅力的に求められているのだと思う。

自分達が子供の頃、憧れたヒーローは皆、そういうタイプだった。
丹波哲郎はいない。が、今の時代にもう一度、Gメンを復活させてくれることを願おう。

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