北海道車中泊旅の魅力

日本で一番人気がある旅行先は北海道である。
クルマで直接行けない離島・そして気候的な意味で沖縄と対極にある感がある北海道だが、面積が違い過ぎる。
北海道の面積は本島だけでいうと九州の二倍近くあるのだ。

地図だけの感覚だとそこまで大きい感じがしないから意外である。
東北6県と関東を足したぐらいとも良く言われるが、そう考えるととてつもない広さである。

北海道を旅していると、日本を旅している感覚とはかけ離れている。
地名もアイヌ語が殆どだから尚更である。
ヌプン●●とかカムイ××とか、もう完全に外来語みたいだ。

そしてこの地ほど車中泊旅を快適に満喫できる地もそうそうない。
何しろ、直線道路・地平線の連続なのだ。
これでもか、というぐらいにだだっ広いスケールの風景。

これだけ広い地だと一般住宅もアメリカみたいに庭にプールがあるぐらいデカいんじゃないかと思うが、それが本土と同じサイズなのだ。

北海道にクルマを走らせてるとあることに気付く。
それは中心街に店や住宅などが密集し、その街と街の間はほぼ牧場や原野なのである。

本土だと人が住んでいない地は原野というより山が殆どだ。
だから平地の原野風景というのは日本では北海道が唯一無二の風景を見せてくれる。

北海道の絶景ドライブコースは正直、「無限」にあると言っていい。
有名どころだと「日本海オロロンライン」
「知床横断道路」
「天に昇る道」などだが、ほんの一例であり、名も無きの絶景ドライブルートは走っていてかなりあった。

まさに感動の連続のドライブである。
北海道に来たら、運転免許を持っている人はレンタカーなどで自分であの道を運転することをお勧めする。
公共交通機関では味わえない爽快感が凄いのだ。

そして北海道は車中泊地の宝庫だ。
道の駅だけでなく、無料の野営場がわんさかあるのだ。

と言っても7年ぶりに北海道車中泊旅をした昨年、かなり車中泊の自由度が減ったな、とは感じた。
やはりマナーの問題だろう。
島牧の道の駅なんかは7年前から車中泊を禁止していたが、この流れが野営場や公衆トイレが閉鎖になったりとかかなり多方面に及んでいた。

そして何より、無料の露天風呂が閉鎖しているケースがかなりあった。
これは誠に残念だ。
羅臼の瀬石温泉や相泊温泉がそうだった。

この辺りはかなり自由度が高く、車中泊旅だけじゃなくライダーやバックパッカーなど旅人全体の人気が凄まじい。
あの原始的で素朴な大自然だ。北海道で一度は訪れたい地である。

知床半島全体が世界遺産に登録されてから観光化が加速し、派手なウトロ側に比べ地味だが奥深い羅臼はのんびりできた地だ。
あの有名な熊の湯は健在だったが、夕方の混雑時に入るとなると地元漁師のアクの強さと格闘しなければならないケースも多く、試練の場でもある。

相泊にある「熊の穴」もご主人がなくなり、廃業になっていたのも残念であった。

この地はまた全国きっての釣り場でもあり、初心者では難易度も高い岩魚もここではオショロコマという亜種が溢れかえるほどいて、完全に入れ食い状態なのだ。
釣りはど素人の私も安い竿を買い、イクラで釣ったが釣れすぎてキリがないのと捌くのも大変だったので20数匹で切り上げた。
余りにバカバカ釣れるので自分の腕が凄いと勘違いしてしまうほどである。

9月ともなると、カラフトマスが大量に遡上してきて、羅臼の小さい沢はカラフトマスで埋め尽くされる。
ここは独特の地形で中流と下流がなく、上流が直接海に注いでいるので、川も海も栄養がたっぷりなのだ。

だから食べ物がなんでも美味しいのである。昆布なんて有名だが絶品なのだ。

羅臼の話中心になってしまったが、ただ羅臼は北海道特有の雄大なだだっ広い直線道路はほとんどない。
ウトロ方面に向かう知床横断道路が絶景ドライブポイントだ。

ここでは羅臼側の根室海峡と、ウトロ側のオホーツク海の両方の絶景を峠付近で連続で楽しむことが出来る。
根室海峡は国後島が天気がいい時はくっきり見える。

加藤登紀子の名曲「知床旅情」の一節「遥か国後の」でも出てくるように、羅臼では国後は切っても切り離せないビューポイントである。
この知床旅情は森繁久彌が「さらば羅臼よ」という題名で1960年に映画撮影ロケで訪れた際、地元民への感謝として贈った歌が原曲となっている。

そして羅臼はあの知床岬への拠点となっている。
知床岬はクルマで普通に行けるとばかり思っていた。
ところがここは相泊から歩いていくか、シーカヤックなどで目指すしかない難所中の難所なのだ。

海から直接岬に上がることは許可なくして今は禁止となっている。まさに幻の地だ。

私も7年前、いつかは絶対ここを目指すぞ!と冒険家気取りで張り切っていたが、今では半分諦めている。
昨年も大学生が海に転落死しているのだ。ある種登山より難易度・危険度が高い。
ちゃんとしたガイドが一緒でないと私レベルではとても目指せないだろう。

そして何よりあのヒグマの密集地でもある。ただでさえ危険なのに、テントで寝るのも恐怖の地だ。
エキノコックスの危険もあるから生水も気軽に飲めない。
色んな意味で本土よりもかなり厳しい条件だろう。

いつかは達成したい夢であるが、その前にもう一度北海道旅を楽しめる環境を整えるのが先である。
そう、やっぱり銭だろう。
銭を稼いで、時間を作って、のんびり北海道の絶景を楽しみたいものだ。

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